この記事は2025年2月27日に執筆しています。
つい先日実施された「東京大学 地理2025」の問題を入手しましたので、受験生向けに速報解説をお届けします。
過去問演習や参考教材を踏まえながら、解答例の骨子や背景知識・因果関係を整理していますので、ぜひ参考にしてください。
- 第1問:自然環境への人間活動の影響に関する設問
- 第2問:近年活発化する経済・余暇活動に関する設問
- 第3問:人口の分布と移動に関する設問
- まとめ
第1問:自然環境への人間活動の影響に関する設問
設問A(1):北半球高緯度地域の気温上昇が他地域よりも大きい理由
本問は、60字以内という制限のなかで「海氷や積雪」「太陽光」「反射率」の3つを必ず用いることが指定されています。
下記のポイントをおさえておくと解答の組み立てがスムーズです。
①海氷や積雪は白色で反射率が高い
小中学校理科で学んだように、「白は光を反射しやすく、黒は吸収しやすい」という性質があります。
したがって、海氷や積雪が多いと太陽光の反射が大きくなり、気温上昇を抑制する効果が働きます。
②温暖化による海氷・積雪の消失 → 反射率低下
地球温暖化が進行すると、高緯度地域の海氷や積雪が融解し、白い反射面が減少します。
結果として太陽光をより吸収しやすくなり、他地域より顕著な気温上昇が進みます。
③『地理の研究』にある温室効果の図解
ここでは「反射(再放射)」が大気や宇宙空間へ熱を逃がす働きとして示されています。
高緯度地域では、もともとこの「反射」が大きかった分、氷や雪がなくなると気温上昇への影響が特に大きくなるのです。
解答例
海氷や積雪が高い反射率で太陽光を反射していたが、温暖化でこれらが融解して減少し、吸収される熱の量が増えたから。(55文字)
設問A(2):海面上昇の要因
本問は知識の有無を問う問題で、『地理の研究』や教科書の「海面上昇」の項目を正確に理解しているかが問われました。
海面上昇にはいくつかの要因がありますが、その中でも代表的なものとして「海水の熱膨張」(温暖化による海洋水温の上昇で体積が増える現象)が重要です。
解答例
熱による海水の膨張
設問A(3)(4):永久凍土の融解
この問題は、東大地理2021の第1問設問A(1)をしっかり学習していれば「楽勝」と感じられたはずです。
その証拠に、私が解説したこちらの記事にも今回の問題の答えとほぼ同じ内容がすでに書かれており、過去問演習の質が得点を大きく左右したといえます。
解答例
(3)永久凍土が融解すると凍土内に閉じ込められていたメタンガスや二酸化炭素が大気中に放出されることで温暖化がさらに加速する。(59文字)
(4)永久凍土の融解により地盤が不安定化し、道路が破壊されることで交通網が寸断されて人や物の自動車による移動が困難になる。(58文字)
設問B(1)河川の月別平均流量
本問は「河川の平均流量」を「その周辺地域の降水量や雨季・乾季の特徴」に置きかえて考えると、比較的シンプルな気候区分問題として捉えることができます。
さらに、資料の読み取りと消去法を組み合わせることで確実に正解に近づける問題です。
資料の読み取り
- ア:一年中流量が多い → 熱帯雨林気候(Af)が想定される ⇒ アマゾン川
- イ:8月~10月に流量が多い → サバナ気候(Aw)の雨季 ⇒ メコン川
- ウ:6月~9月に流量が増加 → 日本の梅雨~夏季降水のパターンに近い ⇒ 黄河
- エ:残った河川として、イタリア北部を流れる ポー川
解答
アーアマゾン川、イーメコン川、ウー黄河、エーポー川
設問B(2):中国における河川流出土砂量の変化の要因
本問は、『村瀬のゼロからわかる地理B』の中国地誌と『地理の研究』の森林破壊に関する箇所を組み合わせる形で解答を導くことができる問題でした。
ダムやえん堤の整備、植林などの対策により流出土砂量が減少していることを資料の数値から読み取れるため、資料のヒント+基礎知識を活用すれば十分に得点が可能な問題です。
資料のポイント
(a)ダムとえん堤の総貯水量が増加⇒下流への土砂流出が抑制される
(b)土壌保全面積が増加した⇒植林などによる「緑のダム」の整備で土壌流出が減少
(C)年平均降水量はほぼ変化なし ⇒土砂量減少は人為的要因が大きい
解答例
ダムやえん堤の整備による貯水と植林の拡大で土壌流出が抑えられ、年平均降水量に変化がないまま河川流出土砂量が減少した。(58文字)
設問B(3):東南アジアで河川流出土砂量が増加傾向を示す原因
本問は、森林破壊が引き起こす土壌侵食とダムの土砂流出抑制効果を比較する問題です。
東南アジアにおけるプランテーション拡大や養殖池開発などによる大規模な森林破壊は過去の東大地理(たとえば2023年・2024年の第1問や第2問)でも繰り返し出題されてきました。
よって、落としてはいけない問題といえます。
参考までに、以下のリンクを貼っておきます。
解答例
プランテーションやエビ養殖池を拡大するために森林破壊が進むことでダムによる流出抑制を上回る量の土壌侵食が起きたから。(58文字)
設問B(4):河口砂州と自然災害
本問は、河口付近の砂州形成がもたらすメリット・デメリットを、具体的な自然災害(津波や高潮、河川氾濫など)との関連で説明する問題でした。
定番教材には掲載がない項目ですが、東大地理2021第1問設問Bを解いた際に三角州やリアス海岸の利点・課題を整理していた受験生は、類似の発想で対応できたはずです。
ポイント
①砂州による波浪・高潮の抑制効果
外洋からの津波・高波を弱め、内湾や河口付近の被害を軽減
②排水不良による河川氾濫リスク
閉鎖的な湾になりやすく、洪水時に水が排出されず水位が上昇 ⇒ 河川氾濫のリスク増大
解答例
河口砂州は津波や高潮の被害を抑える反面、閉鎖的な湾を形成して排水が滞りやすく洪水時に河川が氾濫するリスクが高まる。(57文字)
第2問:近年活発化する経済・余暇活動に関する設問
設問A(1):衣類の企画やデザインを行う事業所や人材が大都市に集中する理由
本問は、定番教材での直接的な言及が少ないトピックでしたが、大都市の集積特性を踏まえて考えれば首都圏や大都市圏に人材・企業が集中する理由を導き出すことができます。
特に過去の東大地理2021第3問設問B(3)と東大地理2020第3問設問B(2)では大都市の中枢管理機能・高学歴人口の集積・国際化と情報化の進展などに言及があり、非常に参考になります。
ポイント
①企業の中枢管理機能の集中
大企業やアパレル本社が都市中心部にオフィスを構え、企画・管理を行う仕事の拠点が集まる
②大学・専門学校の多さ
デザイン分野に特化した学校が集まり、高学歴で流行に敏感な若年層が都市部に集中する
③国際化・情報化・サービス化の進展
世界的な流行情報が集まりやすく、新商品や新ブランドの発信拠点となる
④若年層の集積と流行の感度
流行をリードする若者世代が多く居住・通学することで、ファッション関連の需要や事業所も増える
理由を「1つ」答える問題なので、②と④を組みわせて1つの理由とするのがよさそうです。
解答例
大学や専門学校が多く、流行に敏感な若年層が集まるから。(27文字)
設問A(2):衣類輸入における中国の割合が低下している理由
本問では、労働集約的な繊維工業の国際競争力がどのように変化してきたかを理解する必要があります。
『地理の研究』では「繊維工業は労働集約型」であり、かつ「中国が豊富かつ安価な労働力により工業生産を伸ばしてきた」旨が解説されています。
しかし中国では経済成長に伴い人件費が上昇し、結果として労働費の安さを武器にする時代が終わりつつあるのです。
加えて、ベトナム・バングラデシュなど新興国の繊維産業が台頭し、日本の衣類輸入先が多様化している現状も無視できません。
こうした背景を踏まえると、中国の衣類輸入シェアが低下した理由として、「安価な労働力を求めて生産拠点が中国以外に移転している」ことが主軸となります。
解答例
衣類輸入金額が増大するなかで中国の人件費上昇をきっかけに、より安価な労働力のあるベトナムなどへ生産拠点が移動したから。(59文字)
設問A(3):世界全体で実際の需要を大きく上回る衣類が生産される背景
本問は、アパレル業界における大量廃棄の背景が問われた、いわゆる時事問題です。
2023年12月にEUが売れ残りの服・靴の廃棄を禁止する法律に合意したことで、改めて世界的に注目が高まっています。
特に、ファストファッションの登場によって低価格で大量、しかも短いサイクルで新製品が生産・販売されるようになりました。
その結果、需要予測が外れた際には、膨大な在庫の売れ残りが発生し、廃棄量が増大しています。
「ファストファッション」という語句の解説は東大地理の定番教材には見当たりませんでしたが、私が東大地理の時事問題対策として推奨している『中学入試に役立つ教養地理153』には掲載されていました。
もう1つの指定語句である「天候」については、私たちは気温の変化に応じて夏服や冬服を着るため、需要が天候に左右されやすいことがポイントです。
仮に気候が予測と異なり、暖冬や冷夏になると、多くの在庫を抱えるリスクが高まるわけです。
解答例
ファストファッション企業が大量かつ短いサイクルで衣類を生産し、天候や流行予測が外れると大量の売れ残りを廃棄するから。(58文字)
設問A(4):中古の衣類の輸出入を規制する理由
本問は、「東大地理」としてはやや難度の高い問題でした。
定番教材にはほとんど言及がなく、国家が特定の製品の輸入を制限する例を東大世界史や東大日本史などで学んだ知識に絡めて考察する必要があります。
国家による輸入制限の狙い
・国内産業の保護・育成
安価な製品(本問の場合は安価な中古衣類)の流入を防ぎ、輸入国の産業を保護する
「安価」「輸入国」という語句はこうした文脈で表現すると良いです。
リサイクル
- 「リサイクル」は“ごみを資源として再利用すること”
- 使用済み繊維製品は、古着として再流通させればリサイクルが可能
- EUの一部では中古衣類の輸出を制限し、域内でのリサイクルに注力する動きもみられる
これらを踏まえると、中古衣類の輸出入を規制する理由は、一方では自国(域内)の産業を守り、他方では環境問題への取り組みとして国内でリサイクルを推進したいという狙いがあるとまとめられます。
解答例
輸入国は安価な中古衣類の大量流入による繊維産業への影響を防ぐために輸入を規制する。また、EUは環境への配慮から域内でのリサイクルを積極的に推進するため、中古衣類の輸出を規制する。(88文字)
設問B(1):外国人延べ宿泊者数が多い都道府県
こちらも「東大地理」としては難問に感じた受験生が多いかもしれません。
定番教材での直接的な言及が少ないうえ、高校生にとっては観光経験や国内旅行事情の知識が不足しがちだからです。
資料の読み取り
C
A~Dのなかで外国人延べ宿泊者数が最多⇒世界的な観光地である京都府と推定
D
・A~Dのなかで人口が最小
・日本人延べ宿泊者数がCの京都よりも多く、外国人延べ宿泊者数はCの京都よりも少ない
⇒国内観光客に人気のリゾート地かつ人口の少ない沖縄県
残ったAとB
日本人、外国人ともにBよりAのほうが延べ宿泊者数が多い
⇒北海道と福岡なら、北海道が豊富な観光資源により多くの観光客を集めると判断
⇒Aが北海道でBが福岡県
解答
Aー北海道、Bー福岡県、Cー京都府、Dー沖縄県
設問B(2):神奈川県・愛知県・兵庫県の日本人延べ宿泊者数は多いが外国人延べ宿泊者数が突出しない理由
この問題は、推理に基づき、三大都市圏の構造を踏まえて答える必要がありました。
神奈川・愛知・兵庫はいずれも日本三大都市圏に含まれる県ですが、それぞれ観光動向やビジネス需要に特徴があります。
神奈川県・兵庫県
- 東京・大阪の隣県として人口が多く、国内観光客が訪れやすい
- 京浜・阪神工業地帯の要素が強く、ビジネス目的の宿泊も多い
- 一方、外国人は東京・大阪に優先的に滞在する傾向が強いため、外国人宿泊者数は伸びにくい
愛知県
- 中京工業地帯の中心で、自動車産業などのビジネス需要が大きい
- 東京・大阪に比べて世界的な観光資源が少なく、外国人宿泊者数は相対的に少ない
設問に「3県の共通の特徴にふれて」とあるので、日本人のビジネス需要に言及する。
解答例
いずれもビジネス需要で日本人の宿泊者数が多いが、外国人観光客は観光資源の豊富な東京・大阪を優先するため数が伸びにくい。(59文字)
設問B(3):ホテルの開発による都市住民の居住地変化とその理由
本問は、「ドーナツ化現象」を応用して考えられるかどうかがカギでした。
東大地理2020第3問設問B(3)でも扱われたように、大都市の中心部で地価の上昇や生活環境の悪化が進むと、住民は郊外へ転出し、都心人口の減少が顕著になります。
ホテル開発が相次ぐことで、さらに地価が上がり住宅スペースや住環境が圧迫されるなどの要因が加速するわけです。
解答例
都心部でホテル開発が進み地価が上昇すると、住宅環境が悪化して住民が郊外へ転出し、結果として中心部の人口が減少する。(57文字)
設問B(4):オーバーツーリズムによる生物多様性喪失の解決方法
この問題は、『地理の研究』の「余暇活動とその変化」の箇所を活かすと解きやすかったと思います。
そこに記述のあるエコツーリズムの導入に触れることで、部分点を確保できるでしょう。
エコツーリズムは、地域の自然や文化を保全しながら観光を行う仕組みですが、実際に導入するとなると1日あたりの入場者数や観光施設の開発規制など、観光業界にとっては負担となる面も考えられます。
そうした制約が、観光業界の反対を招く要因になり得るわけです。
解答例
訪問客数上限設定やエコツーリズム導入など、観光客が自然環境に与える負荷を抑える施策を実施し、生物多様性を保全する。施設開発や観光客数に制約が生じるため観光業界の反対が想定される。(89文字)
第3問:人口の分布と移動に関する設問
設問A(1):埼玉県方面の人口集中地区拡大傾向の規定要因
本問は、定番教材では直接の言及が少ないテーマですが、図3-2(DID分布の推移)と図3-4(交通路網)を見れば、埼玉県方面のDIDが旅客鉄道・軌道沿いに拡大していることが読み取れます。
鉄道網の整備に伴う、都心への通勤・通学の利便性向上こそが拡大要因の鍵です。
この論点は、近年でも東大地理2022第3問設問A(3)に出題されており、過去問演習を重ねていた受験生なら素早く思いつけたはずです。
解答例
鉄道網の整備で都心への通勤・通学が便利な地域が増えたから。(29文字)
設問A(2):神奈川県方面と千葉県方面の人口集中地区の分布の違い
本問も定番教材には直接の言及がなく、指定語句である「時間距離」「港湾都市」をどう使うかがカギでした。
東京23区から南西(神奈川)と東(千葉)を比較すると、南西側は交通網が早期に整備されて時間距離が短くなり、また横浜市という大規模港湾都市を中心に産業・人口が集積しました。
一方、東側には横浜ほどの規模を持つ港湾都市がなく、就業機会や人口規模で大きな差が生じていると考えられます。
解答例
東京23区から南西側は東側に比べて交通網の整備により都心への時間距離が短く、通勤・通学の利便性が高い。また、南西側は港湾都市が形成され産業が発達して就業機会にも恵まれたから。(87文字)
設問A(3):首都圏における人口集中地区の外側への拡大が1980年代に収束した理由
本問は東大地理の頻出事項であり、絶対に落とせないといわれるテーマです。
過去問でもたびたび扱われており、直近で言えば東大地理2020第3問設問B(1)では「首都圏への人口流入の鈍化」、東大地理2020第3問設問B(3)では「バブル崩壊による都心回帰」が出題されています。
高度経済成長期に郊外へ拡大したDIDが、1980年代以降は地価高騰・バブル崩壊などの影響で外側に広がる余地が減り、むしろ都心回帰が生じたことがポイントです。
解答例
高度経済成長期と比べて首都圏への人口流入が減少し、郊外での住宅地開発が一巡した1980年代にバブル崩壊による地価下落によって都心回帰が始まったため、DIDの外側への拡大は収束した。(88文字)
設問B(1):2020年から2021年のパンデミックの際に人口変化率が上昇した理由
本問は、東大地理の定番教材には載っていない時事的内容です。
当時の世相を振り返りつつ、リード文にある「日本と海外との間の人口移動が一時的に変化した」というヒントを手がかりにすると解きやすくなります。
- 感染症対策の徹底で死亡数が減少した
- 海外渡航が制限され、移住者の帰国や海外移住の中止が増加した
これらの要因が相まって、2020~2021年にかけて人口変化率が一時的に上昇したと考えられます。
解答例
感染症対策の徹底により死亡数が一時的に減少したうえ、海外渡航制限で帰国や海外移住の中止が増え、人口変化率が上昇した。(58文字)
設問B(2):2020~2021年に都内で高い外国人人口減少率を示した地域の特徴
本問も、定番教材に直接の記述がない時事的テーマです。
資料を読むと、20代前半の外国人人口減少率が著しく、留学生が多い世代が大幅に減少しています。
つまり、大学や日本語学校が集まる地域ほど大きな影響を受けたと推測できます。
解答例
20代前半の外国人留学生が多い大学や日本語学校が集まる地域。(29文字)
設問B(3):2020~2021年に東京都から他道府県への移動者数が増加したパンデミック関連の理由
本問は、パンデミックによる社会変化がどのように人口移動へ影響したかを問う内容です。
『世界の諸地域NOW』の特集でも触れられている「リモートワークの普及」や「密の回避志向」がポイントになります。
解答例
テレワーク普及により勤務地を問わず就業できる人が増え、過密を避けたい意識も高まって東京都外への転出が増加した。(56文字)
設問B(4):パンデミックと関連してリアルタイムでの人口移動の把握に用いられた方法
本問も当時の世相を思い出しながら解答を導く問題です。
パンデミック下では、感染拡大を防ぐ目的で、スマートフォンの位置情報データを活用した取り組みが行われました。
たとえば接触確認アプリを使って感染者との濃厚接触を通知したり、匿名化された位置情報により人の流れをリアルタイムに把握したりといった方法が挙げられます。
解答例
スマートフォンの位置情報データを匿名で収集・分析した。(28文字)
まとめ
ここまで見てきたように、東大地理2025の問題は一見バラエティに富んだテーマが並んでいますが、いずれの設問も “既存の知識 × 資料の読み取り × 過去問で扱われた論点の応用” という3本柱で解答に近づける仕掛けになっています。
第1問では、自然環境への人間活動の影響を、温暖化・海面上昇・永久凍土の融解などの観点から整理し、資料の示す変化を的確に捉える力が問われました。
第2問では、衣類の生産・消費、観光需要・余暇活動といった現代的なトピックが出題され、ファストファッションやリサイクル、オーバーツーリズムといった時事性の高いキーワードが登場しました。
いずれも「地理」との結びつきをどう論述するかがポイントでした。
第3問では、人口分布と移動が焦点となり、首都圏のDID拡大やコロナ禍での人口移動など、“時代の変化”が色濃く反映された問題が並びました。
首都圏に関する定番の拡大・収束パターンに加え、パンデミック期ならではの海外・国内移動制限に着目することが重要でした。
いずれの設問も過去問演習で学んだキーワードや論点がベースにあり、それを現代のトレンドや資料に即してアップデートできるかが得点の分かれ目になった印象です。
特に 「時事問題 + 地理的視点」 を結びつける力は、東大地理を攻略するうえで今後も欠かせないでしょう。
みなさんの学習においても、本記事で紹介した過去問対策のアプローチと資料を丹念に読み取る習慣をぜひ取り入れてください。
こうした姿勢を身につけることで、今後どのような新しいテーマが出されても柔軟に対応できるはずです。頑張ってください!