【東大地理2020】先進国で食生活に占める動物性食品の割合があまり増えないか減少している理由|第2問設問A(2)

東大地理2020第2問設問A(2)先進国で食生活に占める動物性食品の割合があまり増えないか減少している理由 東大地理

2020年の東大地理第2問A(2)では、1963年以降の先進国において経済成長が続いているにもかかわらず、食生活に占める動物性食品の割合があまり増えないあるいは減少している理由が問われました。
本記事では、この現象の背景にある

  • 健康志向の高まり
  • 環境問題への関心
  • 動物愛護の広がり

といった要因を詳しく解説します。
これらの動きは、持続可能な社会を目指す現代の風潮とも密接に関連しています。

執 筆 者
諏訪孝明

東京大学経済学部卒
1浪・東大模試全てE判定・センター7割台の崖っぷちから世9割、日8割、数2割で文科Ⅱ類に合格。
これまでに1000人以上の受験生を指導。 
直近2年で偏差値70超の学校への合格率が90%を超えている。

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講義:先進国で動物性食品の消費割合が増えない理由

1:健康志向の高まり

先進国では、肉食中心の食事が健康に与える影響についての知識が普及しています。
情報化社会の発展により肥満や生活習慣病のリスクが広く知られるようになり、高カロリー・高脂質である動物性食品の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすという認識が高まりました。
さらに、高齢化が進む先進国では健康志向が強い高齢者の割合が増加しており、低カロリーで栄養バランスの良い野菜や魚介類の消費が拡大しています。
このように、健康志向の高まりが動物性食品の消費割合を抑える要因となっています。

2:環境問題への関心の高まり

先進国では環境保全への意識が高まり、持続可能な社会を目指す動きが広がっています。
動物性食品の生産には大量の水資源や土地が必要であり、さらに牧畜業は温室効果ガスの排出や森林破壊など環境への影響も大きいとされています。
これらの問題に対する理解が進んだことで環境負荷の少ない食生活を選ぶ消費者が増え、結果として動物性食品の消費割合が増えにくい状況が生まれています。

3:動物愛護への関心の高まり

先進国では動物愛護の意識が高まるにつれ、肉食を減らすライフスタイルを選ぶ人が増えています。
動物性食品を完全に排除するヴィーガンなど、様々な種類の菜食主義者の増加が顕著です。
動物福祉の視点から家畜の飼育環境や命を奪うことへの倫理的な配慮が広まったことが動物性食品の消費割合の伸びを抑える一因となっています。

解答例

先進国で高齢化の進展で生活習慣病などの発生リスクを抑える食生活への志向が強まり、環境への負荷が大きい肉類生産を抑え持続可能な社会を目指す動きが強まり、動物愛護精神も広まったから。(89文字)

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