「ハンムラビ法典はいつ制定されたんだろう?」
「ハンムラビ法典の内容の特徴ってなんだろう?」
「60字でまとめるとどうなるのか気になる」
東大は、世界史2022第2問・問1(a)でハンムラビ法典が制定された時期とその内容の特徴について2行(≒60字)以内で説明させる問題を出題しました。
ハンムラビ法典は「目には目を、歯には歯を」で有名ですね!
この記事では、東大世界史9割の私がハンムラビ法典について以下の内容を解説します。
- ハンムラビ法典が制定された時期
- ハンムラビ法典の内容の特徴
- ハンムラビ法典を制定したバビロン第一王朝のハンムラビ王
この記事でハンムラビ法典についてマスターしましょう。
講義
バビロン第一王朝(紀元前19世紀~紀元前16世紀)
バビロン第一王朝の主な経過は以下のとおりです。
紀元前19世紀 | セム系のアラム人が建国。都はバビロン。 |
紀元前18世紀 | ハンムラビ王のときに全盛期となる |
紀元前16世紀 | ヒッタイトに滅ぼされる |
ハンムラビ王(紀元前18世紀初め~中頃)
ハンムラビ王は、紀元前18世紀に全メソポタミアを統一した人物です。
なお、メソポタミアとはティグリス川とユーフラテス川の間の地域を指します。
ハンムラビ王は官僚機構や法(ハンムラビ法典)を整備して中央集権国家を建設しました。
また、運河を整備して商業を発展させました。
ハンムラビ法典
制定時期
ハンムラビ法典の制定時期は紀元前18世紀です。
内容の特徴
ハンムラビ法典はシュメール法を継承したもので、その内容は刑法、商法、民法を含みます。
刑法における
- 同害復讐の原則
- 身分による刑罰差
の規定が有名です。
同害復讐の原則とは、被害者がやられたことを加害者にやりかえすということです。
「目には目を、歯には歯を」ということばが有名ですね。
身分により刑罰差というのは、被害者が市民なのか奴隷なのかで加害者に与えられる刑罰が異なるということです。
例えば一般市民(バビロン第一王朝では一般自由人)が他の一般自由人の骨を折った場合は同害復讐の原則を適用し骨を折られましたが、奴隷の骨を折った場合は罰金刑で済んだということです。
「同害復讐」など刑罰に関する規定が有名なので、商法や民法も含んでいるのは意外ですよね!
その他の特徴
バビロン第一王朝はアムル人の王国でしたが、ハンムラビ法典は楔形文字のアッカド語で記載されています。
当時の古代オリエントでは共通語がアッカド語でだったからです。
講義のまとめ
ここまでの内容をまとめます。
また、メソポタミアの大まかな位置を現在の中東の地図の上に記すかたちで示しておきます。
答案作成
字数を気にせず書いてみる
紀元前18世紀のメソポタミア統一後に制定され、刑法、商法、民法を含み同害復讐の原則や身分による刑罰差を特徴とした。
57文字です。
2行問題ですのでちょうどよいですね。
解答例・まとめ
今回の解答例は
紀元前18世紀のメソポタミア統一後に制定され、刑法、商法、民法を含み同害復讐の原則や身分による刑罰差を特徴とした。
とします。
東大世界史2022世界史解説記事リンク一覧
・第1問 https://ronjyutu-taisaku.com/todai-w-2022-1
・第2問問1(a)この記事です。
・第2問問1(c)https://ronjyutu-taisaku.com/todai-w-2022-2-1-c/
・第2問問2(a)https://ronjyutu-taisaku.com/todai-w-2022-2-2-a/
・第2問問2(b)https://ronjyutu-taisaku.com/todai-w-2022-2-2-b/
・第2問問3(b)https://ronjyutu-taisaku.com/todai-w-2022-2-3-b/