2021年の東大地理第2問設問A(2)では、インターネットの普及が国際社会で使われている言語の状況にどのような変化をもたらしたかについて1行(≒30文字)で説明する問題が出題されました。
本記事では、インターネットの普及が国際社会の言語状況に及ぼした変化やその背景・因果関係、さらに関連する知識について徹底解説します。
講義:インターネット普及による英語使用の変化
インターネットの普及は、世界の言語使用状況に大きな影響を与えました。
以下では、その変化を大きく2つの側面から解説します。
1:英語のさらなる普及
インターネットの普及は、国際社会における英語の使用をさらに加速させました。
英語はインターネット黎明期から主要言語として機能し、その影響力を強化しています。
①英語を基盤としたインターネット構築
インターネット初期の開発はアメリカが主導し、多くの技術用語やサービスが英語を基盤に構築されました。
情報やサービスの利用のために非英語圏の人々も英語を学び、英語が世界の共通語としての地位を確立しました。
②オンライン教育と英語学習
インターネットを通じたオンライン教育(例:MOOCs、英語学習アプリ)の普及により、英語を学ぶ機会が手軽かつ低コストで得られるようになりました。
③SNSと英語の浸透
FacebookやX(旧Twitter)、InstagramといったグローバルなSNSプラットフォームで英語が主要言語となっており、ユーザーが日常的に英語に触れる環境を提供しています。
④ビジネスと観光における英語の必要性
インターネットを活用した国際取引や観光手配では英語が共通語として必要不可欠な存在となり、その延長でリアルの場でも英語が使われる機会が増えています。
2:多言語化の促進
インターネットの普及は英語の影響力を高める一方で、他の言語の重要性をも高める「多言語化」の動きを促進しました。
①情報技術による言語の民主化
Google翻訳などのオンライン翻訳ツールの発展により多言語でのコミュニケーションが容易になり、地域言語や少数言語にも注目が集まっています。
②観光・移民による多言語化の必要性
インターネットの普及により、多言語化が観光地や移民コミュニティでの重要な対応策となっています。
・観光地
インターネットを活用した観光情報の発信が進む中で、訪問先の言語や文化への関心が高まり、観光地では多言語標識やパンフレットの整備が求められるようになりました。空港や駅などでは、観光客向けの案内板や情報が複数言語で表示されるようになっています。
・移民
国際移動の増加に伴い、多言語対応が行政や地域社会において不可欠になっています。
移民向けの行政サービス(例:住民登録、医療、教育など)が複数の言語で提供される例が増えています。
③少数言語や地域言語の復興
インターネットを通じて少数言語の保存や学習活動が行われ、それをきっかけとして社会全体でもその言語が復興する動きが見られます。
例として、スコットランドのゲール語やウェールズ語の保存運動が挙げられます。
解答例
共通言語として英語の存在感を高めつつ多言語化も促進した。(28文字)