【東大地理2021】中国とアメリカ合衆国の一次エネルギー供給の特徴とそれに対する政策的対応|第1問設問A(5)

東大地理2021第1問設問A(5)中国とアメリカ合衆国の一次エネルギー供給の特徴とそれに対する政策的対応 地理

2021年の東大地理第1問設問A(5)では、「中国とアメリカ合衆国の一次エネルギー供給の特徴とそれに対する政策的対応」を「需要」「シェール」「太陽光発電」の語句を用いて3行(≒90字)で説明する記述問題が出題されました。

本記事では、この問題に付された図1-5をもとに、中国とアメリカ合衆国の一次エネルギー供給の特徴とそれに対する政策対応について詳しく解説します。

執 筆 者
諏訪孝明

東京大学経済学部卒
1浪・東大模試全てE判定・センター7割台の崖っぷちから世9割、日8割、数2割で文科Ⅱ類に合格。
これまでに1000人以上の受験生を指導。 
直近2年で偏差値70超の学校への合格率が90%を超えている。

諏訪孝明をフォローする
公式LINEでは、国公立大学2次試験の世界史・日本史・地理の論述を攻略するために必須な超有益情報を発信しています。ぜひ友達追加してください!

資料の読み取り

図1-5:2016年の一次エネルギーのエネルギー源別供給量

中国

中国のエネルギー供給は石炭が中心となっており、供給量が他の国や地域と比較して際立って多いことが分かります。

一方で、中国は再生可能エネルギーによるエネルギー供給量も他国より多いです。

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国は、石油や天然ガスを中心としたエネルギー供給が特徴的です。
特に、天然ガスの供給量は他国と比較して非常に多いです。

講義

中国の一次エネルギー供給の特徴と政策的対応

石炭中心のエネルギー供給

中国の一次エネルギー供給は主に石炭に依存しており、国内産の石炭供給がエネルギー構造の中心を占めています。

石炭はコスト面で有利であり大量の供給が可能ですが、二酸化炭素排出量が多いことや不純物の燃焼による大気汚染が深刻化しています。

経済発展に伴ってエネルギー需要が急増し、国内供給だけではまかないきれないため石炭や石油の輸入量が増加しています。

世界最大の石炭生産国でありながら世界最大の輸入国でもあるため輸入量の減少が急務です。
また、石炭消費量を減らすことによる環境負荷の軽減も急務となっています。

再生可能エネルギーへの転換

環境問題への対応として、再生可能エネルギーの開発を積極的に進めています。
中国の国土規模を活かし、大規模な太陽光発電所や風力発電所の建設が進んでおり、再生可能エネルギーの割合を増やすことで石炭依存を緩和しようとしています。
そのため、太陽光発電や風力発電は、発電量が世界一となっています。
再生可能エネルギーの推進は、中国政府の環境政策や温室効果ガス排出削減目標を達成するための重要な施策となっています。

アメリカ合衆国の一次エネルギー供給の特徴と政策的対応

石油・天然ガス中心のエネルギー供給

アメリカ合衆国は、世界有数の石油および天然ガス生産国であり、自国産資源の供給能力が高いです。
一方で、エネルギー消費量が非常に多いため、一次エネルギー自給率は100%を下回っています。
国内の巨大な市場需要を満たすため、石油や天然ガスの輸入量も依然として多いです。
特に石油の輸入量は多く、世界最大の輸入国です。

シェール革命

シェール革命とは、シェールガスやシェールオイルの抽出技術の確立によって従来の採掘方法では困難だった資源が利用可能となり、アメリカ国内でのエネルギー生産が大幅に拡大した現象を指します。

シェール革命についての詳細や課題について、当サイトでは
こちらの記事
でまとめておりますので、是非ご覧ください。

解答例

どちらもエネルギー需要が多く、供給量も多い。中国は石炭中心の供給で環境負荷が高い。中国は太陽光発電など再生可能エネルギーの、アメリカ合衆国はシェールオイル・ガス開発を進めている。(89文字)

タイトルとURLをコピーしました