【東大地理2021】降水量の減少によって起こりやすくなる災害|第1問設問A(3)

東大地理2021第1問設問A(3)降水量の減少によって起こりやすくなる災害 地理

2021年の東大地理第1問設問A(3)では、「降水量の減少によって起こりやすくなる災害」を1行(≒30字)で説明する記述問題が出題されました。

本記事では、降水量の減少が引き起こす主な災害である「干ばつ」と「森林火災」について詳しく解説します。

執 筆 者
諏訪孝明

東京大学経済学部卒
1浪・東大模試全てE判定・センター7割台の崖っぷちから世9割、日8割、数2割で文科Ⅱ類に合格。
これまでに1000人以上の受験生を指導。 
直近2年で偏差値70超の学校への合格率が90%を超えている。

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講義:降水量の減少によって起こりやすくなる災害

降水量が減少すると、特に高温の夏期に乾燥が深刻化してさまざまな災害が引き起こされます。
以下はその代表例です。

1:干ばつ

概要

干ばつとは、長期間にわたる降水量の不足により深刻な水不足が続く現象です。
特に土壌が乾燥し、農作物が育たなくなる「干害」が顕著に発生します。

影響

  • 農作物被害:作物の成長が阻害され、収穫量が激減します。
  • 植生の変化:草木が枯れ、土壌が不毛化して生態系が損なわれます。
  • 砂漠化:家畜の過放牧や過剰な灌漑による土地の塩類化などが原因で不毛地帯が拡大します。

事例

・アフリカのサヘル地域:降水量の極端な減少が、飢饉や移住問題を引き起こしています。
・インド(2015~2016年):高温と少雨の影響でさとうきびを含む農作物が大量に枯死し、大規模な干ばつが発生しました。

2:森林火災

主な原因

森林や草地が乾燥することで、自然発火や人為的な火災が発生しやすくなります。
高温で乾燥した状態が続くと、火災が発生した際に延焼速度が上昇し、広範囲に火が拡大します。

影響

①環境への影響

  • 植物が焼失し、生態系が破壊される。
  • 動物の生息地が失われ、生態系バランスが崩れる。
  • 焼失した森林は土壌を保水する能力が低下し、土壌侵食が進む。
  • 温室効果ガスの増加:森林火災によって大量の二酸化炭素が放出され、地球温暖化がさらに進行する。

②人間社会への影響

  • 火災による煙が健康被害を引き起こす(呼吸器疾患など)。
  • 森林資源やインフラが失われ、経済損失が拡大。

主な事例

①アマゾン熱帯雨林

  • 人為的な焼畑農業に加え、乾燥状態が重なって森林火災が頻発。
  • 森林の喪失が地球規模での環境問題に。

②カリフォルニア州(アメリカ)

  • 降水量の減少と夏の高温からくる乾燥により大規模な森林火災が毎年のように発生。
  • 広範囲に延焼し、住民の避難や建物の焼失が深刻化。

解答例

高温の夏季の乾燥で干ばつや森林火災が起こりやすくなる。

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